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Masao's Blog ~ BIZARRE ADVENTURE ~

レイディーバグという会社を経営している平世将夫の「奇妙な冒険」Blog

オープンマインドな姿勢とパッション

「人口18万の街がなぜ美食世界一になれたのか―― スペイン サン・セバスチャンの奇跡」

 

とっても面白い本でした!

「料理」や「地域活性化」「街おこし」などに興味がある人はもちろんですが、どのビジネスをやる場合にも共通する大切な視点がかかれています。

 

スペイン・バスク地方にある人口18万人の小さな街、サン・セバスチャン
ここは世界中から美味しいものを求める人が集まる「美食世界一の街」として知られる街なのだそうですが、とくに観光資源のなかった街がなぜ、たった10年ほどで変われたのか?

 

以下、ほとんどこの本からの引用です。詳しくは是非読んで頂きたい!

 

シリコンバレーがIT産業に特化したように、
サン・セバスチャンは、料理を知的産業として売り出そうとしているというのです。

その徹底的な地域戦略は何か?

 

ポイントは
・「料理のオープンソース化」
・アイディアを街中でシェアするという「オープンマインドな姿勢」

徒弟制度で形成されていた既存の料理業界は、レシピを口外しないフランス料理に
代表される古典的システムが主流です。
それとは対象的に、サン・セバスチャンでは、
新しい技法やレシピをお互いに教えあい、また伝統に囚われず、旅をして見つけてきた世界中の食材や調理方法を取り入れ、見たこともない料理を次々と作り上げています。

このオープンマインドの姿勢こそが、若い優秀なシェフを次々と生み出している最大の秘訣とのこと。
世界一のレストランとなった「エル・ブリ」も驚くべきことに、毎年新メニューのレシピをすべて公開していたそうです。

(つまり、誰でも世界一のレストランのメニューをつくれるのだ!)


料理人たちが、自分の技やレシピを皆で教え合うことで、

同じ仲間のレベルがいっせいに上がり、

あたらしい料理界の変化にお互いの理解度が高まる。

そして、街全体が美味しいと評判になれば一軒だけでは集められないほどの人をその地へ呼び込むことができ、一人では開発したり、作ることのできないような美味しい料理を出すことができるようになるかもしれない、と。

 

しかも、素晴らしいなぁと思ったのは、
数学式のような式で料理を記述する「分子料理」のようなまったくあたらしい料理方法でも、伝統料理が基本になっているというのです。

サン・セバスチャンの伝統料理と

1、「見た目が同じ」

2、「素材が同じ」

の2つしかなく、一見奇抜に見える前衛的料理でも、実は伝統料理に裏付けられたものであり、だから、この地に足を運んでもらって食べることを良しとしているという点です。

「この地に足を運んでもらって食べる」ことを良しとしているので、

フランス料理の名店と異なり、ここサン・セバスチャンの世界一流のレストランはどこも支店を出そうとは考えていません。
なぜなら、この地で穫れた産物をここで出すのが彼らの姿勢であり、なによりこの地を誰よりも愛しているから、というのです。
彼らのレストランビジネスは、この地の産業なのです。

 


そして、日本が見習うべきだと思ったのことは、

その伝統料理に裏付けられた料理を「知的産業」として輸出しようとしている点です。

映画や音楽と同じように、国家の一大産業として、本格的に「食」を輸出するというのです。
これは、特産品や完成品を輸出するのではなく、「タパス」や「ピンチョス」という文化そのものを輸出しようとしています。

美味しいものを食べれば本場に行きたくなる人が現れるでしょうし、その国の食材や料理人が世界中から求められることになります。

ただの特産品的な輸出と違い、こうした文化そのものが世界に広がれば、その経済効果は本当に計り知れない。



観光資源のない、小さな街だったサン・セバスチャンのこの地域戦略は、

観光資源が豊富にも関わらず、観光産業の国家戦略がヘタな日本にとって学ぶべき点が山ほどありそうです。


そして、このサン・セバスチャンの成功を支えている大切なことは

以下の2つだそうです。

①パッション。この地の人たちのパッション。
②世界の中での自分たちを知ること

 

この地域の人たちは、心から地元を愛し、世界中を旅してあたらしい食材やアイディアをインプットし、それらを吸収し取り入れる柔軟さを持ち、皆で教え合い、情報をシェアし、あたらしいものをつくりだします。

そして、何より食べること、つくることを楽しんでいる!

夢中になっている。

 

この本を読んで、サン・セバスチャンの人たちの

あたらしいものをつくりだすことへ挑戦する姿勢、

それをオープンマインドでシェアしていく姿勢、

そして伝統を、地元を、愛する情熱

に感銘を受けました!

 

「あたらしいものをつくりだす」

これは、ベンチャー企業も同じ。

ベンチャー企業の使命でもあり、ここへのパッションがなくなった時点でそれはベンチャーとはよべないのではないかと思います。

世界を知ったうえで、伝統を守りつつ、あたらしいものを融合させ、

あたらしいもの・価値をつくりだす。

そして、それをオープンマインドな姿勢で、たくさんの人たちとシェアしていく。


我々もそうありたいと思います。